大盛り姉妹は非常に稀有な表現者である。
大盛りシリーズの作者、といえばニコニコ動画の歌ってみたに詳しい人ならピンとくるだろう。
イラスト担当のn@na、音源担当の鶯色の二人組だ。
ニコニコ動画というフィールドにおいて、既に投稿された複数の音源を合わせ、それにふさわしいアバターを生み出し、動画にする。
二次創作あるいはn次創作の世界において、常に原作者への敬意を忘れず、創作者としての情熱も損なわず、かつ多くの視聴者の心を魅了し続けている。
2012年2月から始まった彼女たちの旅は、もうすぐ6回目の節目を迎えようとしている。
思えば昨年は、彼女たちにとって非常にエポックメイキングな一年になったのではないだろうか。
大盛りシリーズ投稿5周年。ニコニコ動画10周年。
史上初となる同じ曲の2作同時投稿で幕開け、合唱はもちろん有名歌い手同士のコラボ動画や人力ボカロ動画の投稿もあった。
そしてなにより大盛りシリーズ常連の歌い手を集めた『リアル合唱!大盛りライブ』を開催した、記念すべき年でもあった。
今年になっても勢いはそのまま、初投稿作が待望の100万再生を達成し、
『リアル合唱』の第2弾の開催が告げられ、チケットは発売と同時に即座に完売した。
――このインタビューは、言わずもがな史上初の試みだ。
大盛り姉妹のこれまでの活動を振り返るとともに表現者としての姿勢や創作秘話、歌ってみたへの想いなどを、まっすぐな言葉で届けることができたら幸いだ。
筆者としてはダメ元でのオファーではあったが、快く了承して取材に応じてくれた大盛り姉妹のn@na氏、鶯色氏には改めてお礼を申し上げたい。
大盛りシリーズの『これまで』と『これから』、そして『いま』の全てに惜しみない祝福と賛辞を捧げるとともに、大盛り姉妹の確かな足跡を記すとここに約束しよう。
取材・文章 - 大井 森太
イラスト - はもーね
(イラストの無断転載・自作発言はおやめください)